ハーレーダビッドソン2代目社長ウィリアム・H・ダビッドソンの息子、ウィリアム・G・ダビッドソンが入社。
後に大ヒットモデルとなるローライダーのデザインを手がけるなど、ハーレーの歴史を語るうえで欠かすことのできない「ウィリー・G」が加わった時代だ。
電気式(セル)スターターを搭載した最後のパンヘッド搭載モデル「エレクトラグライド」が発売。
スイッチを押すだけでエンジンが始動できる利便性が一般ユーザーに喜ばれ、エレクトラグライドは生産台数を倍増させるとともに、性能の高い日本製バイクへ流れかけていたユーザーを引き止める要素となった。
1957年のXLモデルに搭載されていたエンジンをグレードアップさせた新型エンジンを開発。
シリンダーヘッドの形状が採掘に使われるショベルに似ていたことから「ショベルヘッド」と呼ばれた。
パンヘッドよりも馬力が10パーセントもアップしたエンジンと、セルスターターを搭載した最新モデル「エレクトラグライド」は人気を博した。
アメリカの大手機械メーカーAMF(アメリカンマシンファンダリー社)と業務提携を結び、AMFの一部門となることに。
以降、「AMFハーレーダビッドソン」と名を改めたハーレーは、車輌ロゴにも「AMF」の文字が付け加えられることになった。
ビッグツインでもスポーツ走行が楽しめるモデルをと、FLのフレームにスポーツスターXLのサスペンションを組み合わせた新しいスタイル「FX スーパーグライド」を発表。
現代のダイナ・ファミリーに通ずるモデルで、当時の人々にとって斬新なスタイルだったことから、現在のFXCWロッカーやFLSTSBクロスボーンズに用いられる「ファクトリーカスタム」にカテゴライズされた。
特徴的なのが「ボートテイル」と呼ばれるリアフェンダー(画像参照)で、XLHから流用したスポーツスタイルだった。
この年、車輌デザインを手がけていたウィリー・Gがさまざまなスタイルのハーレーを生み出した。
ハーレー初のカフェレーサーモデルXLCRは、現代でも根強いファンがいるほど。
そして後世に伝わるモデル「FXS ローライダー」が誕生。
発売と同時に大きな人気を誇り、ハーレーの歴史のなかでも群を抜いたロングセラーモデルとして現代に受け継がれている。
ベルトドライブを装着した最初のモデルがこの「スタージス」だ。
チェーン部分から発せられるノイズが減少し、整備性が大幅に向上した。
何よりハーレー乗りの聖地として知られる地名が付けられていることから、車輌に対する期待感がうかがえる。
1970年代後期、AMFのハーレーに対する意欲の薄さが如実に現れるようになり、それが品質の低下を招いてユーザー離れを引き起こすことに。
危機感を抱いたハーレーの役員13人がAMFから株を買い戻し、再び独立することに。
新型エンジン「エボリューション」は、「暗黒時代」と呼ばれるAMF傘下時の象徴ショベルヘッドよりも耐久性に勝り、さらに軽量化にも成功。
また同時に「ソフテイル」も発表された。
フレーム後部をスイングアーム化し、下部にサスペンションを搭載した斬新なスタイルは、クラシカルなハーレーを愛する人々にとって朗報だった。
この年、エボリューションエンジンが搭載されたスポーツスター「XLH1100」の販売が開始された。
現在のスポーツスターファミリー同様、883ccと1100ccの2モデルがあり、ライダーは自分に合った排気量のタイプを選べた。
創設から85年目を迎えたハーレーは、記念モデルとしてスプリンガーフォークを搭載した「FXSTS」を発表。
古きよき時代のスタイルに加え、アメリカのシンボルである白頭鷲があしらわれた85周年記念ロゴなどが高く評価された。
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